Logitech G Pro Gaming Mouse (Gpro)のレビュー

昨年、Logitech G Pro Gaming Mouse(通称”G Pro”)を個人輸入した。もうすぐ日本のLogicoolからも発売されるそうなので、ちょっと感想を書いてみます。

IntelliMouse Opticalからの移行。特に左右対称にこだわりがあったわけではないのだけれど、手が小さいのであまり大きなマウスは合わないなと思ったのと、クリックが軽いのが欲しかったのと、形状が無難そうなので買ってみた。

G303は形がエキセントリックすぎたし、ZowieマウスやG403などは手のひらが圧迫される感じがあって合わなかった。

はじめに断っておくと、G Proはロットによってケーブルやホイールなどに若干の違いがあるそうです。僕のはS/Nの頭が1635です。

というわけで使用感の話。まず、かなり小さい。Xornet IIほど極端ではないけれど、まあつまみ持ちをするのが自然だろうなと思えるくらい。IMOからG Proに移るとさすがに最初は扱いにやや違和感がある。もう慣れたけど。

クリックはかなり軽い。とくに右クリックは、最初は誤爆することがよくあった。もう慣れたから誤爆しないけど。一発入魂のクリックが要求されるシビアなゲームはともかく、普段のブラウジング等ではやはり軽い方が快適。サイドボタンは小さめだけど、特別押しづらいということもない。

ホイールは……ちょっと慣れが必要。スクロールは問題ないんだけど、ホイールクリックがやや硬い(店頭に並んでる昨今の他のゲーミングマウスもみんな大体硬いけど)。ホイールの右側にスイッチがついているので、右側に力を入れる感じで押下すると比較的楽。

センサー、1000Hz・1600dpiの運用で特に問題なし。古代の産物であるIMOから最新のPMW3366へのアップグレードだったので、「弾が当たるよ!世界が違って見えるよ!」的なことをちょっと期待していたけれど……まあそれはなかった(そんなにシビアなゲームやってないけど)。でも特に問題なし。LODも十分低い。

このマウスで一番の欠点だとよく言われるのがケーブル。たしかにやや太くて、硬めで、取り回し抜群とは言えない部分はある。個人的には、それほど気にはならなかった。ケーブルの外装を剥いたり、ケーブルを交換して使ったりする人もいるらしい。新しいロットではケーブルが改善されているという噂も耳にしたので、日本で発売された折には店頭でご確認ください。

ソール、これも一部ではイマイチと言われているらしいけれど、これといった問題は感じない。まあこんなもんかなと。

もちろんLogicoolが提供しているゲームソフトウェアが使える。DPIやレポートレートの調整、ライトの設定、マクロの割当などのほか、結構大切なのが「表面のチューニング」(マウスパッドへの最適化)。実はマウスと一緒にマウスパッドも新調したんだけど、最初に「表面のチューニング」をして、何ヶ月か使っていたある日、「なんかカーソルが飛ぶな?」と感じたことがあった。パッドが汚れてきたことが原因かなと思い、改めて「表面のチューニング」を行ってみると、見事解消。ちゃんと仕事をしている機能でした。

総評としては、センサーの性能に足を引っ張られることがないという安心感を考慮すれば、小さめつまみ持ちマウスを探している人には無難な選択肢なのではないでしょうか。ゲーミングマウスはどれも一長一短な感があるので(クリックが重い、センサーがイマイチという噂、など)、無難と呼べるのは偉いことだと思いました。

Schiit Audio Modi Multibit (Mimby) のレビュー

去年、Schiit AudioのDAC、Modi Multibit(通称”Mimby”)を買った。

Head-fiやSBAFでは昨年7月の発売直後から「これはDAC界の価格破壊王やで~~!」と言わんばかりに大変盛り上がっていた品物(直売価格249ドル)。ここまで盛り上がったのはODAC以来じゃないだろうか。今なお称賛の勢いは衰えておらず、500ドル以下のDACではほとんどこれの話しか出てこないような状況……に見える。まあ、Schiit Audioはアメリカのメーカーなので、ちょっと地元贔屓は入ってるんじゃないかとは思いつつ。

で、日本語のレビューがほとんど無いようなので、ちょっと書いてみます。
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Fostex x Massdrop TH-X00の雑なレビュー

一昨年、MassdropTH-X00(マホガニー)を買った。

発表と同時に公開された複数の先行レビューの内容があまりも好意的だったので、そういうのは褒める方に偏りがちだとは承知していたものの、さすがに大きなハズレを引くことはないだろうと判断して買ってみた。

マホガニーの質感はよく、光沢も伴ってそれなりに高級感がある。ヘッドバンドは十分長く、側圧は強くないし、イヤーカップも顔に合わせて回転するので、装着感は良い。重量は350gとなっているが、軽めに感じるくらい。耳がデカいとパッドに合わないことがあると聞いていたが、大丈夫だった。

ケーブルは太めでやや扱いづらいが、ある程度品質は良いのだろうという安心感はある。少し気になるのはイヤーカップとの接続部付近で、ここだけなぜか少しケーブルがくびれたようになっていて、頼りない。断線とかするとしたらここだろうなーという雰囲気。

音は……かなり良かった。とにかく低域が魅力的。ズンズンくる深さと量があって、豊かに、ノリ良く、楽しく聞かせてくれつつ、飽和して潰れたりしない。中域・高域に特筆するほどの質や伸びはないが、さほど引っ込んでいる印象もない。これだけ低域が主張してくる中で、引っ込んでいないのはそれだけで偉いと思う(質も、特筆するほどではないと書いたけど、低価格帯のをまとめて一蹴できる程度には良い)。全体としては不思議と調和が取れているように感じられるのが、単なるbassheadなヘッドホンとは違うところ。

音場は、密閉型の割には広め。その代わり、遮音性はやや低めかも(部屋でしか使ってないのでちゃんと確かめていないけど)。

「楽しく音楽を聴かせる」という点においては、かなり成功しているように思う。モニターライクなヘッドホンの「ウオオー、俺は今、バリバリに高解像度なヘッドホンを使ってるぜ!」感も良いのだけれど、TH-X00はそういうのとうまく使い分けもできるし、録音の質もそれほど選ばないので、一本持っておくと重宝するのではないでしょうか。

ところで、DekoniというメーカーがTH-X00向けの交換用パッドをMassdropでたまに販売している。特にSheepskinパッドは装着感が大変良いらしく、発売直後は好評だったのだが、しばらくすると、「TH-X00のストロングポイントである低域が弱まってしまうのが不満で、結局元のパッドに戻した」との話が散見されるようになった。ので買わずに見送っております。(なんか純正パッドを分解して、attenuation ringとかってのを取り出して、Dekoniのパッドに移植するといい感じになるらしいけど)